18・5 パルス圧縮

光パルスの圧縮は,1960年代にレーダ技術におけるパルス圧縮技術を導入してピコ秒パルス圧縮に用いたのが始まりである250)~252).ここでは,空間域レンズの相似系として時間レンズの表現を示し,位相変調と鮮速度分散補償に…

Details

18・4 モード同期半導体レーザー

モード同期半導体レーザー(MLLD)は主にピコ秒領域の光パルスを発生する機能を持つ半導体レーザーであるが,その特徴を理解する一助に,まずその歴史を簡単に振り返ってみることにする. 超高速の光科学・光技術の視点で見ると,主…

Details

11・3 フォトンエコー

光の吸収・発光特性の物質による差を特徴づけるパラメータとして,発光寿命,吸収回復時間,スペクトル幅などが重要である.前者二つの定数は,エネルギー準位の分布数の変化に関係しており,エネルギー緩和と呼ばれる.一方,スペクトル…

Details

11・2 電磁誘導透過

媒質のエネルギー準位間に共鳴するようなレーザー光を入射すると,共鳴吸収によりエネルギーは散逸し,透過光は減衰してしまう.しかし,ある種の媒質においては,第二の制御光を入射し,周波数をうまく選ぶことにより,第一の光の減衰が…

Details

IX編 バイオフォトニクス

IX編 バイオフォトニクス 38章 臨床診断 38・1 光診断の基礎と展開 38・2 拡散光トモグラフィー 38・2・1 生体内光伝搬とそのモデル化 38・2・2 拡散光トモグラフィーの原理 38・2・3 ピコ秒時間分解…

Details

10・6 誘導ブリュアン散乱

ラマン散乱の物理的起源は分子の内部振動による核の運動,または,単位結晶に対するイオンの運動による物質の誘電テンソルの変化にある.誘電率は物質のほかの性質に対するゆらぎにも影響を受ける.熱力学的起源を持つこれらのゆらぎは光…

Details

10・4 ラマン散乱の量子論

分子振動座標は,規準振動モード関数と呼ばれる規格完全直交系で展開され,あらゆる振動は,それを構成するモードの線形結合で記述することができる.この完全直交系の各モードは,調和振動子で記述される.調和振動子の量子化に従って分…

Details

10・3 ラマン散乱の半古典論

分子や固体と輻射場との相互作用を議論する場合には,孤立した原子の系,たとえば原子気体を対象とする場合よりも複雑である.n個の原子核で構成されている1個の分子を考える.実際の分子では,原子核は振動している.分子は振動によっ…

Details

10・2 自然放出ラマン散乱

自然放出ラマン散乱は,1928年にインドの研究者のラマン(C.V,Raman)によって発見された.彼は光学媒質に単色光を入射するとその波長と異なった波長が散乱されることを見出した.そのときに,いま考えると驚くことであるが…

Details

10・1 4光波混合

誘導ラマン散乱,誘導ブリュアン散乱などの誘導散乱過程は,自然放出散乱過程に対応する誘導過程である.自然放出を,真空場のゆらぎによる電場の誘導過程による増幅と考えれば,白然放出とこの誘導過程を統一的に理解することもできる.…

Details

18・8 THz電磁波への変換

本節では可視・近赤外域の超短パルスレーザーをテラヘルツ(THz)電磁波へ変換する手法について述べる. 超短パルスレーザーのTHz電磁波へ変換方法として,よく用いられる手法には大きく分けて二つある.ひとつは半導体などの光伝…

Details

19・3 光周波数標準

19・3・1 概要と歴史 ここでは,レーザー周波数の長時間領域,あるいは中心周波数の安定化について述べる.短時間領域の安定化,すなわち発振線幅の狭窄化については,19・2節に詳しい.レーザー周波数の長時間領域の安定化では…

Details

24・4 光学硝材(アモルファス)

光学材料としてのアモルファス(ガラス)の特徴は,光学的に等方であること,成形性に優れていること,組成を変化させることで屈折率などの光学的性質を連続的に制御できることである.さらに,結晶にくらべて一般に製造が容易なため,レ…

Details

29・2 光通信主要技術

29・2・1 伝送用光ファイバ技術 [1]光ファイバの原理 伝送用光ファイバは,図29・1に示すように,石英を主成分とする直径数~数十μmのコアと125 μmのクラッド,さらにクラッドを保護する外径250 μmのプラスチ…

Details

28・1 概説

最も基本的な分光方法は光を物質に照射し,その透過光や散乱光の強度を波長の関数として記録することであろう.その時得られるスペクトルの分解能,検出感度はレーザーを光源とすることにより飛躍的に改善される.このため,レーザー分光…

Details

27・3 地球環境科学への応用

27・3・1 雲エアロゾル測定 大気境界層から対流圏・成層圏のエアロゾル及び雲観測へのライダー(LIDAR)の応用は初期から行われているが、近年の地球環境観測におけるエアロゾル・雲研究の重要性からも盛んな応用分野でもある…

Details

27・2 ライダー(LIDAR)の各種方式

前節で解説されたレーザー光と物質の各種の相互作用を利用して,大気等の測定対象の物理量を測定する様々なライダー(LIDAR)方式がある2)~9).ここでは,観測研究等に実際に利用されているものを中心に各種ライダー(LIDA…

Details

26・9 微量イオン化計測

真空中や超純水中に存在する微量物質を検出することは,それほど困難ではない.最近では,レーザーを光源として用いる蛍光法や多光子イオン化法により,単一原子,分子を測定することも可能になっている.しかし,実際の分析においては,…

Details

26・2 ナノ計測

ナノ構造をレーザーで計測(観察)することは,光の波長で決まる回折限界を超える手法にほかならず,超解像法(superresolution)とも呼ばれる.超解像の手法としては,大きく分けて,近接場光学(near-field …

Details

VI編 レーザー計測

VI編 レーザー計測 25章 レーザー工業計測 25・1 レーザー計測 25・1・1 長さ・変位の測定 25・1・2 角度・角速度測定 25・1・3 燃焼・流体測定 25・1・4 ガス分析測定 25・2 光ファイバ利用計…

Details