分子振動座標は,規準振動モード関数と呼ばれる規格完全直交系で展開され,あらゆる振動は,それを構成するモードの線形結合で記述することができる.この完全直交系の各モードは,調和振動子で記述される.調和振動子の量子化に従って分子振動を量子化する.

分子の規準振動モードの固有エネルギーである振動準位エネルギーは量子化され,式ページ4i(nν:整数)で与えられる.量子準位nνにある分子に,周波数ωIで入射した光子が散乱され,分子をnν+1の振動準位に励起し,それに伴って式ページ4iiのエネルギーの光子が散乱される.これがストークス散乱である.反ストークス散乱の場合には,分子はnνからnν-lに脱励起され,散乱光子のエネルギーは,式ページ4iiiとなる.体積Vの中にある分子を座標系の原点にあるとする.そのハミルトニアンは,輻射場のハミルトニアン6)

式10・3

から構成される.ここで,式ページ4ivは,波数k,偏光λの光子の消滅・生成の演算子である.よって振動分子のハミルトニアン

式10・4

を得る.ここで式ページ4vは,調和振動子の量子準位間の下降・上昇の演算子である.

ラマン非線形性は,輻射場の電場と分子振動分極との聞の相互作用により,レーザー駆動場と分子振動が結合する.電場中の分極した双極子と電場との相互作用エネルギーは,古典論的ハミルトニアンとして,

式10・5

と書ける6).以下で,この式をもとに古典論を量子論に変換する.

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