LiDAR製品

LiDAR (ライダー)とは

 LiDAR(ライダー、LIDAR、Lidar、LADARとも表記されるが、本稿では「LiDAR(ライダー)」へ統一)は、レーザー光を照射し、跳ね返ってくるまでの時間を計測することで、物体までの距離・方向を測定する測量法で、Light Detection And Ranging(光の検出と測距)、またはLight Imaging、Detection、Rangingの頭字語です(元々は、光(light)とレーダー(radar)を混ぜた造語)。
 測地学、地理情報学、考古学、林業、自動運転等の各分野で用いられ、地上・空中など、様々な場所・環境下で利用できます。

歴史と語源

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 LiDAR(ライダー)は、国立/大気研究センターが気象分野において大気中の雲測定用途で用い始めました。その有用性・利便性を世間が広く認知したのは、1971年実施のApollo 15計画による「月面着陸飛行」の際、宇宙飛行士によるレーザー高度計用いた月面地図作成が大きいです。

 「LIDAR(lidar)」は、一説では頭字語と言われますが、元々は、光(light)とレーダー(radar)を混ぜた造語です。LiDAR(ライダー)という言葉が最初に出版物で記述されたのは1963年で、明確にこれを裏付けています。それには「レーザーは遠方の物体からの特定の波長を検出できる、極めて敏感な検出器に応用し得る。一方、それは ‘LiDAR(ライダー)’(光レーダー)によって月を研究するために使われている…」とあり、Oxford English Dictionaryはこの語源を支持しています。

 (「LIDAR」)としての「LiDAR(ライダー)」の解釈は1970年に始まり、根拠として挙げられるのは、用語「レーダー(radar)」は「RAdio Detection And Ranging(無線の検出と測距)」の頭文字であるため「LIDAR(LIDAR)」は「LIght Detection And Ranging(光の検出と測距)」もしくは「Laser Imaging, Detection and Ranging(レーザーイメージング、検出と測距)」の頭文字であるという論です。英語では現在、「radar(レーダー)」を頭字語として扱わず出版物では小文字を用いますが、1980年代からの複数の出版物では、「lidar(LIDAR)」という言葉を「LIDAR(LIDAR)」として、大文字で記述しています。

 現時点では、「LIDAR」が頭字語か頭字語であるなら「レーダー」のように小文字で表記すべきかの不確実性を反映し、全て小文字で書かれます。複数の出版物では、LIDARは「LIDAR」、「LiDAR」、「LIDaR」、または「Lidar」と記述されています。USGS(アメリカ地質調査所)は 「LIDAR」と 「lidar」の両方を、時には同じ文書中で使用しています。

概要

 LiDAR(ライダー)は、紫外線・可視光、または近赤外波長のレーザー光を物体へ照射し、光が跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離・方向を測定するもので、物体の物理的特徴を、高い分解能で写像します。LiDAR(ライダー)は気象・航空・宇宙研究等の各分野で実用化されており、例として、航空機による上空からの地形マッピングで用いられる他、航空・宇宙分野にて、NASAは、安全な月面着陸・車両走行を行う重要技術と認識し、研究・開発を進めています。

 散乱タイプは用途で異なり、レーリー散乱・ミー散乱・ラマン散乱、及び蛍光が使われます。後方散乱の種類に基づき、LiDAR(ライダー)名称は変化し、レイリーLiDAR(ライダー)、ミーLiDAR(ライダー)、ラマンLiDAR(ライダー)、Na / Fe / K蛍光LiDAR(ライダー)等と呼ばれます。

構成

LiDAR(ライダー)の構成は、大きく2種類に分けられます。

1) マイクロパルスLiDAR(ライダー)方式:
 低出力(1ワットオーダー)レーザーを用いる為に目に優しく、レーザー技術の進歩とコンピュータ演算能力向上により、この方式が可能となりました。

2) 高エネルギー方式:
 気象分野研究で主に用いられ、雲の高度・層構造・粒子性質、温度、圧力等の大気パラメーターを測定できます。
 

要素

1. レーザー

 航空機搭載型LiDAR(ライダー)では一般に1064 nm波長のレーザーを、海底探査システムでは、水中透過性の高い532 nm波長のレーザーを用います。測定時は、適切な発光間隔・発光時間の条件設定が求められます。又、空中トポグラフィックマッピングLiDAR(ライダー)では1064 nmのダイオード励起YAGレーザーを、水深測定システムでは、532 nmの二重ダイオード励起YAGレーザーを、それぞれ使用します。

2. スキャナと光学系

 データ収集速度はシステムのデータ走査速度にも影響されます。走査は二次元的に行われ、その方法は様々です。二枚の平面鏡を振動させるもの、多角形の鏡を用いるもの、スキャナが二軸をもつものなどがあります。光学系の性能は角度方向の分解と検出できる距離の限界に影響します。
反射光の分離には穴の開いた鏡を用いる方法とビームスプリッターを用いる方法があります。

3.受光器と電子機器

 受光器には、様々な物質が用いられます。ケイ素とインジウムガリウム砒素を用いた「ピンフォトダイオード」や「アバランシェフォトダイオード」が一般的ですが、波長によっては、光電子増倍管も使われます。受光器の感度は、LiDAR(ライダー)の他部分の設計とバランスを取る必要があります。

4.ポジショニングとナビゲーション

 LiDAR(ライダー)を可動型のプラットフォーム(航空機や人工衛星)に搭載する場合、センサーの絶対的な位置と方向を決定する装置が必要で、主にGPSと慣性誘導装置が用いられます。3Dイメージングは走査システムと非走査システムの両方を用いて達成することができます。「3Dゲート表示レーザーレーダー」はパルスレーザーと高速ゲートカメラを適用する非走査レーザー測距システムで、DLP技術を用いたバーチャルビームステアリングの研究が始まっています。

 イメージングLiDAR(ライダー)は、CMOS 及び ハイブリッドCMOS/CCD製造技術を使用して通常単一チップ上に構築された高速検出器アレイおよび変調感度検出器アレイを使用して実行することも可能です。これらのデバイスでは各ピクセルが復調またはゲート制御などのローカル処理を高速で実行し、アレイをカメラのように読み取ることができるように信号をビデオレートにダウンコンバートします。この技術を使用して、数千のピクセルとチャネルを同時に取得可能です。

 高解像度3DLiDAR(ライダー)カメラは電子CCDまたはCMOSシャッターでのホモダイン検出を使用します。コヒーレントイメージングLiDAR(ライダー)は合成アレイヘテロダイン検出を使用して、スタッキング単一素子受信機をイメージングアレイであるかのように動作させます。

 2014年にリンカーン・ラボラトリーは16,384ピクセル以上の新しいイメージング・チップを発表しました。それぞれのピクセルが単一の光子を撮影し、一つの画像で広い領域をキャプチャすることができます。

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