第8章 レーザーと安全・環境

6. レーザー超音波法

著者:落合 誠

1. はじめに

 部品や構造材には有用な機能を達成すると同時に、その機能を安全・確実に果たすことが要求される。安全性・信頼性を確保するためには、製造時の計測・検査(品質保証)と、使用開始後にその損傷を把握する非破壊検査(供用後検査)が重要である。
 製造時の板厚・材料特性の計測・検査や、供用後の非破壊検査には、超音波技術が幅広く利用されてきた。通常の超音波技術では、圧電素子をもちいて超音波信号を送受信する。この際、圧電素子は液体媒質を介して適切な条件で検査対象に接触させる必要があり、

  • 高所、狭あい部、高温、高放射線環境など近接が困難な場合
  • 移動物体、複雑な曲面形状を有する物体、接液できない材質など接触が困難な対象
  • 圧電素子の接触が対象および現象に影響を及ぼす場合には適用に工夫が必要であった。

 一方、レーザー技術は計測、加工など幅広い産業分野で利用されていることは言うまでもないが、遠隔性・非接触性・非侵襲性が要求される用途にも適している。
 本節では、レーザーを用いて超音波探傷、超音波計測を実現するレーザー超音波法に着目し、その概要と利用事例を紹介する。

2. レーザー超音波法の概要

 従来の超音波法において信号の送受信を担っていた固体素子を、レーザー光で置き換える技術がレーザー超音波法である1)。「光を当てて音を出す(レーザーによる超音波の送信)」あるいは「光を使って音を聴く(レーザーによる超音波の受信)」というのは、通常の光を想像する限り、現象として考えにくい。しかし、レーザー光のような特殊な光を利用すると、容易に実現することができる。レーザー超音波法によれば、従来の接触式送受信法と比較して表1に示すような効果が期待できる。以下にレーザー光による超音波の送受信方法について述べる。

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