第8章 レーザーと安全・環境
5. レーザー極微量分析技術
目次
1. はじめに
環境汚染物質をオンサイト、リアルタイムに分析する方法としてレーザー光を用いたジェット多光子共鳴イオン化法(Jet-REMPI:Jet-Resonance Enhanced Multiple Photon Ionization)1〜5)がある。これは、分析しようとするサンプルを超音速のジェットとして真空中に噴出させ、断熱膨張により極低温に冷却する。それにレーザー光を照射し、レーザー光の波長に応じた分子の励起を通してイオン化する方法である。何段階にも光子の励起を繰り返すので多光子という。そのイオン化された分子は電極により飛行時間型質量分析器にかけられ分子量の同定をする。レーザー光波長による分子選択性と質量分析の二面から分析しようというものである。
本節では、この原理に基づく分析法のうち、現在世界で唯一ダイオキシンの極微量分析に成功しているRIMMPA(Resonance Ionization Multi-Mirror system Photon Accumulation)6〜9)について解説する。
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