第4章 マイクロレーザープロセシング

8. レーザーピーニング

著者:佐野 雄二

1. はじめに

 レーザーピーニング(Laserpeening)は、水中の材料に尖頭値の高いパルスレーザーを照射して表面を冷間加工することにより、圧縮残留応力と加工硬化層を形成する技術である1)。ショットピーニング(Shotpeening)2)との類似性からレーザーピーニングと呼ばれているが、欧米ではレーザー衝撃処理(Laser shock processing)ということも多い3〜8)
 ショットピーニング2)と比較すると、レーザーピーニングは1ショット(1パルス)のエネルギーが桁違いに大きい。このため、効果は深さ1mmにも及び9)高い信頼性が要求される航空機部品の疲労対策10)や原子力発電所の応力腐食割れ(SCC;stress corrosion cracking)の防止策11)として使用されている。また、レーザーピーニングは、材質・形状・部位に応じてパルスエネルギーなどの緒条件を制御することが可能であり、ショットのような回収物がない、非接触で反力がない等の特徴を備えている。
目次へ ∧

無料ユーザー登録

続きを読むにはユーザー登録が必要です。
登録することで3000以上ある記事全てを無料でご覧頂けます。
ログインパスワードをメールにてお送りします。 間違ったメールアドレスで登録された場合は、改めてご登録していただくかお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目