第4章 マクロレーザープロセシング

7. 非平衡金属組織形成およびアモルファス相の結晶

2. 相変化材料のレーザー結晶化技法

著者:井澤 雅則

2.1 はじめに

 近年のオーディオ・ビジュアルのデジタル化にともない直径12cmの媒体に大容量データの記録・再生が可能なDVDが急速に広まりつつある。その中でも記録書き換え型DVDについてはビデオレコーダの置換えとして普及した感のあるDVDレコーダやPC上で画像・音楽等のデータを扱うユーザの増大によるPC用記録型ドライブの一般化により日常生活になくてはならないものになりつつある。
 このようなDVD普及の一方で地上波ディジタルハイビジョン放送等のHD映像への適応を考え開発された青色レーザーを光源として使用するHDDVDやBlu-ray Disc等の次世代光ディスクメディアへの要望も高まりっっある
 これらの記録書換え型光ディスクの記録膜材料としては相変化材料が用いられており、これは膜の結晶状態の違いによる反射光量の変化により“1”、“0”を定義して記録・再生を行うものである。但し、成膜直後の膜の結晶状態は非晶質という結晶状態的に不安定の状態であるためにアニールが必要となる。
 現在、この相変化材料のアニール手法としてはレーザーを用いて膜面の温度を結晶化温度以上にして一定時間保持することで結晶状態を非晶質状態からアモルファス相へ変化させる方法が一般的となっていることからこの技法の紹介を行なう。

2.2 相変化ディスクとは

 相変化ディスクとは記録膜面にレーザー光を照射することにより記録膜を加熱し、記録膜面を結晶相とアモルファス相間で相変化させることにより、その2つの結晶状態でのディスク反射率変化を利用して情報を記録・消去するものである。一般的にこの相変化ディスクの記録膜材料としては、Ge-Sb-TeやAg-In-Sb-Teなどの相変化材料を使用しており、これらの材料ではエネルギー印加条件の制御による熱の履歴方法の違いにより、データ書込みとデータ消去を行なっている。
 図1に示すように、通常、データの記録状態は記録状態がアモルファス相、消去状態が結晶相となるようにしており、データ書込みを行なう行為、すなわち結晶相からアモルファス相へ構造を変化させるには、記録膜の温度を融点以上にして溶融させその後膜の温度が急冷されることで変化を生じる。一方、データの消去を行なう行為、もしくは相変化膜生成後の非晶質状態からアニールを行なうには、記録膜の温度が融点以下、かつ結晶化点以上にし、それを一定時間保持することで結晶状態に構造を変化させる。

2.3 光ディスク製造工程と初期化の必要性

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