第4章 マクロレーザープロセシング

4. レーザー溶接

著者:松縄 朗

1. レーザー溶接に使われる発振器

現在産業的に使われているレーザー発振器の種類とその最大出力を表1に示す。従来は炭酸ガスレーザーとNd:YAGレーザーが主に使われていたが、最近ビーム品質の良い高出力固体レーザーが開発され、また大出力の半導体レーザーも出現し、溶接も新しい時代に入ってきたといえよう。
図1にレーザー溶接用トーチの構造を示す。溶接部の酸化を防ぐため、通常はアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス、あるいは窒素(N2)などのガスをシールドガスとして流す。シールドガスはレーザービームと同軸に流す場合と、サイドノズルから斜め横方向に流す場合がある。なお、大出力炭酸ガスレーザー溶接の場合はレーザープラズマの発生しにくいヘりウムガスを使うことが多い。また、金属プラズマを除去するために、横方向からプラズマコントロールガスと呼ばれる高速気流を流す場合もある。

2. レーザー溶接における母材入熱携帯

レーザー溶接においては、集光点でのパワー密度により図2に示すように2種類の入熱形態がある。パワー密度が低い場合は、図2(a)に示すように表面加熱となり、溶融は熱伝導により生じるので熱伝導型溶込みと呼ぶ。一方、パワー密度が高くなると、激しい蒸発が生じその蒸発反力のため溶融値に深い穴(キーホールと呼ぶ)が形成され、幅の狭い深い溶込みが得られる。この場合は線熱源的入熱形態となり、キーホール型溶込みと呼ばれる。
熱伝導型溶込みからキーホール型溶込みに移行する臨界パワーについてDausingerら1)は種々の異なるレーザーについて調査した。その結果を図3に示す。集光径もの異なる種々のレーザーにおいて、いずれも或る出力以上で熱伝導型からキーホール型へ移行するが、レーザーによってその遷移出力域が異なっている。
Dausingerら1)は溶込みモードの遷移スレッシュホールドはレーザー出力Pやパワー密度P/dfではなく、パラメーターP/df2で整理できることを示している。この場合、遷移スレッシュホールド値Pmin/dfは次の式で表されるとしている。





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