第4章 マクロレーザープロセシング(レーザーマクロ加工)

11. レーザーフォーミング

著者:吉岡 俊朗、三須 直志

1. はじめに

 レーザーによる変形加工は、レーザー照射の局部加熱で生じる熱応力により塑性域を生じさせ、これを任意の部分に生成することにより、素材に変形を与える方法である。したがって、素材には外力を与えず、騒音のないクリーンな環境で板金加工が可能である。また、スプリングバックの影響がないので、精密な曲げ角を得ることができる。さらに、溶融を生じさせることなく行なえるので、酸化対策をとれば素材表面状態はほぼ初期のまま維持される。もちろん、形状作成という観点からは、製品形状の要求に支障がなければ、溶融を伴っても良いはずであり、その例も報告されている。
 難波ら1)は1986年にレーザー照射を加工物表面上で直線的に走査する線状加熱2)によって板材をV字状に曲げる加工(V字曲げ加工)を報告した。この時点では板曲げの二次元形状であったが、最終的には三次元加工をも対象とすべく、これをレーザーフォーミング(Laser Forming)と名付けた。その後の研究では、板曲げが主の場合レーザー曲げ(Laser Bending)という名称も使用されている。ここでは両者を含めてレーザーフォーミングと呼ぶ。
 本稿では、レーザーフォーミングの加工原理を概説しこの方法での二次元、三次元形形状作成例を紹介する。
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