第4章 マクロレーザープロセシング(レーザーマクロ加工)

10. ダイレクトメタルデポジション

著者:石出 孝、坪田 秀峰

1. はじめに

 ダイレクトメタルデポジション技術は粉末状にした金属材料をレーザーにより溶融させ、母材上に溶着することで、母材に機能を付加する、所望の形状を得る、補修する、等の効果を得るものである。この技術は、Rapid Prototyping(高速実体成形)技術として開発が開始された。Rapid Prototypingは、技術開発初期段階では3次元形状を短時間で製作できることから、製品の最終形状を把握するための技術であった。これは設計技術の3次元CAD化が進歩に対応してPC上の2次元ディスプレイに表示された3次元データを実体として取り出すことでより製品イメージをつかみやすくしたいという設計者の二ーズに応える技術であった。このように形状確認が主目的であった技術開発初期段階では、樹脂が対象材料とされた。しかし、部品形状の確認に加えて機能チェックも実施したいという更なるニーズから、今日ではその延長技術として金属を対象材料とした技術開発がなされている。これにより、製品試作だけでなく実製品用部品・製品そのものの製造技術として、また使用中の製品に対しては補修技術としてその利用領域を広げつつある。本節では、金属材料を対象とした直接造形技術に関し、その開発の歴史、現状、今後の展望について述べる。
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