第3章 プロセス(加工)装置

2. プロセス(加工)用レーザー

4. 半導体レーザー励起高出力ロッドレーザー

著者:安井 公治

4.1 市場拡大と実用性

固体レーザーは、現在の金属加工用レーザーの主流であるCO2レーザーの発振波長(10μm近傍)に比べて1/10の波長1μm近傍で発振するため、石英系の光ファイバーによる伝送が可能となり、ロボット等と組み合わせたフレキシブル生産システム構築の基軸となることが期待されている。
市販のkw(キロワット)級高出力固体レーザーにおいて最も普及しているのは、ロッド(丸棒)型のレーザ一媒質を用いて、そのロッドの側面からランプにより励起する構成(ランプ励起ロッドレーザー)である。ランプ励起ロッドレーザーは、各種部品加工や、自動車のボディ溶接等の分野で量産ラインへ適用されているが、その市場規模はCO2レーザーに比較して低位に位置する。これは励起に寄与しない広いスペクトル成分を有するKr、Xeなどのランプによる励起が主流であるため、その効率が低く、これがコスト高を招いているためである。
しかし、半導体レーザー(LD)による励起方式が進展し、これによる効率の向上期待から、溶接用途に限っても、国内市場が2002年120台から2010年には800台と大きく拡大し、その後も年率5%以上で進展していくと見込まれている1)。この実用化を加速させるものは、半導体レーザー光源の低価格化開発である。
半導体レーザー励起においても、実際の生産ラインで使用されているもののほとんどはロッド型であり、レーザー媒質は主にNd:YAGが使用されている。図1に4kW級高出力の半導体レーザー励起ロッドレーザー装置を示す。


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