第3章 プロセス装置

1. プロセス装置の基本構成

1. プロセス装置の基本的要素

著者:鷲尾 邦彦
 レーザーを用いたプロセス装置には、フォトマスク上の微小欠陥を修正するマスクリペアのような超精密微細なマイクロ加工を行うものから、重工業における厚板の溶接や切断などを行うマクロ加工装置まで、種々多様なものがある。レーザープロセスの原理から考えると、レーザーを用いたプロセス装置は、レーザーから出射したレーザー光をワーク(被加工物)の所定の場所に導いて、所定のタイミングでかつ所定の照射強度で照射できるようにする必要があり、このような目的のための必須の構成要素として、まず次のようなものが挙げられる。

(1) レーザー(レーザー電源、冷却系を含む)
(2) ビーム伝送光学系
(3) 加工用光学系(ビーム整形を含む)
(4) 位置決め機構
(5) プロセス補助材料供給系(フィラー、反応用ガスなど)
(6) 制御装置

 しかしながら、実用的なプロセス装置を構成するには、プロセス性能の向上や、プロセス性能の再現性、装置の信頼性、並びに作業安全の確保の問題などがあり、これらの問題への対策として、実際には次のような機構ないし機能も備える必要がある場合が一般的である。

(1) プロセスモニタリング装置(各種センサー、CCTVや観察光学系など)
(2) ワーク搬送・ハンドリング機構
(3) 劣化防止用材料供給系(シールドガスなど)
(4) 除振台
(5) ワーク加熱または冷却機構
(6) ハイブリッド加工においてはレーザー以外の加工エネルギー源
(7) 換気装置・除害装置(プロセスに伴い副次的に発生するフユーム等の除害装置)
(8) レーザー安全のための遮光機構:保護筐体、遮光シャッター、スクリーンなど
(9) インタロック機構(作業安全のために、アクセスパネルやドアなどに備える)
(10) レーザー放出警告デバイス(レーザーが運転中であることを示す)
(11) レーザー製品のクラス分けに基づいた説明ラベルと警告ラベル(プロセス装置の適切な場所に添付)

 作業の安全性なども考慮した実用的なプロセス装置の基本構成の模式図を図1に示す。これらの構成要素のいくつかには、設置環境や運転状況により省略可能なものも含まれているが、作業安全やスループット向上などの観点からは、各種の技術的手段を講じて、なるべく手作業や目視による作業を減らし、プロセス装置全体の動作を自動化することが望ましい。レーザーを用いたプロセス装置の設計やリスクを伴う使用に際しては、電気安全や機械安全のほかに、レーザー安全1、2)についても十分熟知して、事前に適切なリスクアセスメントがなされることが要請される。

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