第2章 プロセス技術の基礎

2. レーザープロセスの基礎課程

著者:矢部 孝

2. レーザープロセスの基礎課程

2.1 物理過程

 ここで、レーザープロセスの基礎過程を時間を追っておさらいをする。
(1) レーザー光が入射し固体またはプラズマに吸収される。
(2) この熱やエネルギーが固体中に伝播する。
(3) 融点を超えた部分は液状となる。
(4) 沸点を超えた部分は蒸気またはプラズマとなって噴出する。
(5) 蒸気が凝縮して微粒子になる。
 このように簡単に5つを挙げたが、実は一つ一つがレーザーによって随分異なった過程となる。

2.1.1 吸収過程

 吸収過程では、レーザーの電場によって加速された電子は、イオン(または固体物質)と衝突してそのエネルギーを与える。レーザーの電場がそんなに大きくなく、固体に吸収される場合には、加速されるとほぼ同時に衝突を起こし、熱に変わる。レーザー電場の強度が大きくなると、加速された電子は他と衝突することなく、空中へと放出される。これを中和する電子が回りにないときには、電場によって引き戻され、自発生成磁場を引き起こすこともある。

2.1.2 輸送過程

 電子は、固体と相互作用しつつあるときはフォノンによって熱が運ばれ、あるときは電子自身がそれ担い手となる。衝突が頻繁に起これば、この熱流qは温度の勾配▽Tに比例する。これをフーリエの法則と呼ぶ。
 実際には、レーザーが吸収される領域は非常に小さく、吸収される時間スケールも非常に短いので、このフーリ工法則は成り立たないことがある。この現象は色々な分野で指摘されてきており、熱工学の分野でも非フーリエ則として知られていた。
 この現象を物理的な面から詳細に調べるためには、フォッカープランク方程式を数値的に解く必要がある。この結果、レーザープラズマでは、温度勾配のスケール長が平均自由行路よりもはるかに長い状況でも、フーリエ則が破れ、熱伝導は非局所的に決定されることがあることが、指摘されている1)
 逆に、フェムト秒レーザーのような場合でも、フーリ工則が成立することがあるので、物事は単純ではない2)。やはり、ちゃんとそれぞれの場合に対して検討することが必要である。

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