実際の医療活動で患者様にどのように貢献できるか

がんの治療法としては、手術、抗がん剤、放射線治療のいわゆる3大治療が長年にわたり行われてきた。これらの治療法が、がん治療の中心として、一定の効果を示してきたことは疑う余地のない事実である。しかし一方で、手術は侵襲的であり周辺組織も傷つけることになり、抗がん剤は全身投与するため正常細胞にもダメージを与えることになり、放射線は周辺組織への照射をゼロにすることはできないため周辺組織にもダメージを与えることとなる。このようにこれら従来の治療法は大きな副作用を伴うことから、患者に対してやさしい治療とは言えない。近年、第4の治療法として免疫療法が行われるようになってきた。免疫療法は、患者自身の免疫を利用する治療法であり、症例によっては大きな治療効果を示す。しかしすべての症例において治療効果を発揮するわけではなく、また全身の免疫に対して影響を及ぼすため、免疫系の副作用が認められることも多い。以上のことから、がんだけを特異的に殺傷し正常組織には影響を及ぼさない、新たながん治療法が強く望まれている。

そのようながん特異的な治療法の一つが光免疫療法である。「光免疫療法の原理や構成」の項で説明したように、光免疫療法はがん細胞特異的な治療法であり、また用いる薬剤やレーザー光は無害であることから、大きな副作用は生じない。光免疫療法特有の副作用は見受けられるが、対処可能なものであり、長期にわたって患者を苦しめるような副作用は起こらないと考えられ、治療後のQOLを大きく向上させることができる。このことから、光免疫療法は患者さんにやさしい治療であるといえる。

また光免疫療法の大きな特長の一つは、治療したがんの複数の抗原に対する免疫を獲得できることである。たとえ光免疫療法の直接作用によりすべてのがん細胞を殺傷することができなかったとしても、誘導された免疫システムにより残存する少数のがん細胞を攻撃することができる。この免疫は既存のがん免疫療法や免疫抑制細胞を標的にする光免疫療法などでさらに強化することができる。このため、遠隔転移巣に対しても効果を発揮することができる。さらに、この強化されたがん細胞に対する免疫は、同じがんが再発しないように予防する効果も期待できる。この再発防止効果は患者にとっては非常に大きなメリットであり、今後のがん医療を大きく変革すると考えられる。

光免疫療法関連製品ラインナップ

スクリーンショット 2016-02-10 12.00.50

腫瘍に特定の波長を照射するレーザー発振器
レーザーを効果的に照射するディフューザー

製品名/メーカー バッオリジナルデバイス (バイオメディカル / OEMモジュール) / Modulight
特長 ML7710は、全ての既知の光増感剤をサポートする各種医療用途に適した、ターンキーレーザーシステムプラットフォームであり、安全性及び操作性に必要な全ての機能を備えています。標準的特徴には、使い易いタッチスクリーンユーザーインターフェースと、それぞれ個別にアドレス可能な多様なファイバ出力チャンネルと、照準ビームと、スマートインターナルキャリブレーションモジュール、足/手スイッチ、ファイバーセンサーとゼイフティーインターロックとが含まれています。
設計及び製造プロセスは、ISO13485:2003に基づいて実施され、設計はIEC60601及びFDA CDRH 21CFR1040.10の要求及び規則を満たしています。8チャンネル迄で、400-2000nm 及び0-15Wに渡る全ての構成との稼働が証明されています。

Tabletop system ML7710 PDF
製品ページはこちら


腫瘍に特定の波長を照射するレーザー発振器

製品名/メーカー ファイバーカップリングレーザーシステム / CNI
特長 FCシリーズ(Fiber Coupling Laser System)は、1つの箱に集積型半導体レーザー、レーザーキャビティ、ファイバーカップリング光学素子、レーザー電源、LD駆動電流と温度の制御機能が入っています。コンパクトでかつパワー調整、温度制御、LEDディスプレイなどの便利な機能がついており、励起光源、研究、産業および医療用途に非常に適しています。

製品ページはこちら

LaseView-LHB

レーザーが効果的に照射できているかを確認するのに必須の「ビームプロファイラ」

製品名/メーカー 大口径・高出力対応ビームプロファイラ / 光響
特長 大口径・高出力対応ビームプロファイラ(LaseView-LHB)は、世界で最も大きなビームを測定できる類を見ない製品です。多数のLEDや半導体レーザーの同時発光評価などにも使われております。これ一台で幅広くお使い頂けます。
弊社でソフトもハードも開発しているためカスタム可能です。
ソフトウェアはユーザビリティが高いと評価されている「ビームプロファイラ with M2 プラットフォームソフト LaseView」を採用しています。各種解析機能を備えており、大変使いやすいビームプロファイラです。Lidarの評価機としても多くのお客様に使われております。

LaseViewLHBシリーズカタログ
製品ページはこちら

ご参考:
(株)光響が提供する製品情報:
ビームプロファイラ(日本語Webサイト)
Beam profiler(English Web site)