Kerr効果は、強い光が結晶中やガラス中だけでなく気体などの他媒質を伝搬するときに起こる非線形光学的効果である。その物理的な起源は、媒質によって生み出された非線形偏光であり、それ自体が光の伝搬特性を変化させることにある。Kerr効果は、瞬時に発生する非線形応答の効果であり、屈折率の調整として説明することができる。特に、高強度の光ビーム自体の屈折率は、以下の式により調整される。

kerr-eq1

ここで、n2 は非線形屈折率で、Iは光強度を表す。媒質の値であるn2は、例えば、z走査技術を用いて測定することができる。Kerr効果(単に電子非線形性)に加えて、電気歪は非線形屈折率の値に大きく寄与することに留意したい[3,4]。光の電場は、光弾性効果により屈折率に影響を与える密度変化(音響波)を引き起こす。そのメカニズムは、遥かに長時間のスケールで発生するので、比較的低速のパワー変調にのみ関係するが、超短パルスには関係しない。

シリカファイバーに使用される溶融シリカは、約3 × 10−16 cm2/Wの非線形屈折率を有する。軟質ガラスと特に半導体において、バンドギャップエネルギーに強く依存するため、遥かに高くなる可能性がある。非線形性は、バンドギャップエネルギーの70% を超える光子エネルギーに対して、負となることが多い(自己発散非線形性)。

時間および周波数依存の屈折率の変化により、自己位相変調およびKerrレンジングがおこる。というのも、異なる重畳光もまた相互位相整合を引き起こすからである。他のビームに対して高強度のビームが原因で、両ビームが同じ偏光状態にあると仮定した場合、上の式で示したように、実効屈折率増加は2倍も差がでる。

強度に依存する屈折率によるKerr効果は、狭い帯域幅をもつ光に対しても適用できる近似式に基づいて説明できる。非常に短く帯域幅の広いパルスに対して、単純な挙動からの逸脱が観測される。それは、自己急峻化と呼ばれる。パルスのピークが伝搬する速度を減少させ(すなわち群速度の減少)、それゆえパルスの立ち下がり部分の勾配増加をもたらす。この現象は、例えばスーパーコンティニューム光発生に関連がある。さらに、Kerr効果の強さは、非常に高い光強度で飽和することが知られている。

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