ガラスなどの透明基板上に金属薄膜を形成し,全反射条件で光を入射すると,エバネッセント波により金属薄膜表面近傍に電子の粗密波(表面プラズモン)が生じる41)(図40・6).プリズム表面を伝搬するエバネッセント波の波数は,以下の式で表される42)

式40・2

一方,表面プラズモンの波数は,

式40・3

である.エバネッセント波の波数,表面プラズモンの波数の実成分が一致するとき,表面プラズモンが共鳴的に強く励起され,このときの入射角度は共鳴角(あるいはSPR角度)と呼ばれる.

図40・6

図40・6の光学配置で光を入射したとき,入射角度に対して光の反射率をプロットしたSPRカーブでは,SRP角度で光の反射率が最小となる.光の反射率は,図40・7のように金属薄膜および薄膜表面に形成する吸着分子層が均一であるとき,以下の式で表される43)44)

式40・4

ここで,

式40・5

であり,
式40・6

および,

式40・7

である.

図40・7

波長632.8 nmのHe-Neレーザーを光源として用いたときのSPRカーブを図40・8に示す.なお,図から図40・11で示すSPRカーブの計算に用いた金薄膜の屈折率は,ドルードのモデルにより算出した値を用いている45~47).吸着分子層の屈折率が大きくなるに従い,SPR角度が増大する.吸着分子層の屈折率は吸着した分子の密度に依存するため,SPR角度の変化をモニターすることによって,金属薄膜表面に対する分子の吸着量を解析することができる.しかし,式(40・6)式に示すようにSPRカーブは吸着分子層の屈折率と膜厚に依存するために,SPRカーブの測定からそれぞれの値を正確に決定することはできない.波長の異なるレーザー光を用いることでこの問題を解決することは可能である48)が,通常のSPRを利用した遺伝子解析においては,屈折率,膜厚のどちらかを仮定することで分子の吸着量解析を行っている.

図40・8

40・2・1 SPRセンサー

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