表39・2に各種レーザー治療と治療装置に関してまとめた9)

表39・2

39・2・1 汎用手術用レーザー治療器

[1] CO2レーザー手術装置

CO2レーザー手術装置は切開,蒸散を主体とした治療作用を示し,電気メスよりも創傷治癒が早く,傷跡もきれいなことから,婦人科手術,形成外科手術などで用いられる.喉頭がんの治療では気管支鏡視下で声帯のがんを蒸散除去する.また,子宮頚部がんの円錐切除術にも使われる.

最近ではフレキシブルな赤外ファイバケーブル(AgCl/AgBr)や,誘電体内装型金属導波管で伝送でき,口腔内軟組織の治療に盛んに用いられている.小出力のものは封じ切りレーザー管を採用している装置も多く,メインテナンス特性が向上している.大出力装置の中には,連続波にパルス波を重畳させ,より鋭利な切開を意図している装置もある.

[2] Nd:YAGレーザー手術装置

Nd:YAGレーザーは石英光ファイバで伝送可能なことから,消化器内視鏡下での止血治療,早期がん治療に使用され,レーザー内視鏡治療の分野を切り開いた.ただし,現在ではこれら用途にはあまり使われていない.サファイア製の接触端子から組織に接触しながら放射すると,接触端子表面での発熱(端子表面の炭化物,あるいは接触端子内の吸収体による)と,接触端子形状による集光の効果で,非接触照射における切開能がほとんどないNd:YAGレーザーでも精密な小切開ができる.Nd:YAGレーザー装置1台で凝固と小切開を使い分けられることから,この接触照射は普及した.

この汎用性と止血の外科術における重要性,内視鏡治療への拡張性などの理由で,Nd:YAGレーザー手術装置は重要である.歯科用として繰返しパルスのもの,また形成外科の深部あざ治療用としてQスイッチNd:YAGレーザーを使用したものもある.

最近の装置は閉サイクル冷却器を採用して,外部冷却水を必要としない.

[3] Ho:YAGレーザー手術装置

このレーサー治療器の特徴は,硬組織および軟組織の両方に使用できることである.このレーザー光の水に対する吸収係数は数十cm-1であり,このためファイバ端でパルス照射による水蒸気の沸騰によって直径数mmの水蒸気気泡が発生する.非接触で照射した場合は,硬組織,軟組織とも水蒸気膨張によって飛散するように除去される.軟組織の切開は鋭利なものとはならないが,限定的な作用ながら切開用レーザーが石英方ガラスファイバで伝送できる点は応用性に富む.

石英ガラスファイバによって0.5 dB/m程度の損失で伝送できるので,2 m程度の医用エネルギー伝送に困難はない.椎間板ヘルニア治療として髄核を蒸散除去して内圧を低下させる椎間板減圧術に用いられている.

このほかに関節鏡視下の半月板切除術にも用いられている.

[4] GaAIAs系半導体レーザー手術装置

高信頼性高出力半導体レーザーデバイスが製造可能となって,これらを複数個搭載した半導体レーザー手術装置が続々と登場している.800 nm帯の波長はほぼNd:YAGレーザーと同じ生体作用を示す.Nd:YAGレーザーよりも小型・軽量かつ安価であるため,代替による普及が進んでいる.伝送には関口数(NA)0.3~0.4程度の高NA光ファイバを使用する.この800 nm帯に大きい吸収ピークを持つ血流検査薬ICG(indocyanin green)を利用して組織を染色すると,組織の吸収係数が大きくなるので,半導体レーザーの非接触照射で組織の切開,蒸散がおこなえる.

ICGを静脈注射することで眼科の網膜上の脈絡血管の選択凝固術をおこなう手法が開発されている.

39・2・2 特化したレーザー治療器

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