本章では,レーザー加工の各種製造業における具体的な応用について述べる.レーザー加工は現在の生産技術として不可欠なものとなっており,新規の加工分野への拡大とともに,従来の機械加工や電子ビーム加工などからレーザー加工に置き換わっている分野が多く見受けられる.鉄鋼産業や重工業ではレーザー加工のフレキシビリティを活用して,機械加工や従来の溶接,表面処理技術がレーザー光の有効な応用分野となっている.これらの分野では大出力を必要とするため,CO2レーザーとYAGレーザーが主に用いられている.

2000年におけるガスフロー型のCO2レーザー加工機の販売実績をタイプと出力により分類したのが表35・11)である.平板の切断や溶接用の加工機が最も多い.3次元加工機や発振器搭載型の大出力加工機が自動車産業で切断や溶接に用いられている.

表35・1

YAGレーザーを主体とした固体レーザー加工機の用途別市場推移を示したのが表35・22)である.固体レーザーはファイバ伝送が可能であるため,大出力のものは自動車産業や重工業分野でも多く使用されるようになった.

表35・2

LDレーザー加工機の低価格化が図られれば,小型・高発振効率・大出力を活用して,自動車産業や重工業分野でも溶接,表面処理などに広く使用されるようになる.

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