本(VIII)編では,レーザー光の持っているエネルギーを利用した応用分野について述べている.プロセシング,加工,処理,光化学反応といわれる分野への応用である.

本意では,本編で示される各種レーザー加工全般に共通の基礎事項について述べる.

34・1・1 レーザー加工の現状

1960年にTheodoreMaimanがルビーレーザーの発振に成功して以来,各方面でレーザ一光が応用されるようになった.特に,発表直後のデモンストレーションでカミソリの刃への穴あけ加工がおこなわれたことで,「魔法の光」による加工への応用が期待された.その後,加工分野での実用化は目ざましく,現在の生産現場では必要不可欠な加工技術となっている.

本項では,本編で示される各種レーザー加工の現状を示す.レーザー光には発振原理から導かれる多くの特徴があり,それらを活用してマイクロ加工からマクロ加工まで幅広い分野でレーザ一光は利用されている.加工に用いられている代表的な各種レーザー光の種類を表34・1に示す.中小出力から45 kWという大出力までの発振が可能なCO2レーザーが最も多く利用されている.特に,鉄鋼産業や重工業では切断や溶接などで広〈利用されている.

表34・1

Nd:YAGレーザーは,短波長(波長変換により532,355,266,213 nmへの短波長化が可能),短パルス,高ピークパワーで発振されるため,微細加工用として電気・電子の産業分野で広〈利用されている.さらに,光ファイバで導光可能なため,シンプルな加工システムの構築が容易になる.10kWの大出力も得られるようになり,金属表面での反射率がCO2レーザーより非常に小さいため,重工業分野でも期待されている.しかし,発振効率が3%程度と小さいため,大出力を必要とする重工業分野では大きな問題となっている.ところが,経済産業省の大型プロジェクト「フォトン計測・加工技術」により,12 kW,23%を達成しており,鉄鋼産業や重工業での利用が可能となった1)

エキシマレーザーは紫外領域で発振し,平坦な強度分布が得られるため,フォトリソグラフィー分野で活躍している.マイクロ加工分野でも利用されているが,波長変換により短波長化が可能なYAGレーザーに置き換わっている分野も多い.

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