23・1・1 光電変換検出器の種類と特徴

光信号から検出可能な物理量は,強度以外にも偏波,位相,波長(周波数)など多様であるが,光電変換素子の役割としては強度(あるいはフォトン数)の測定が基本となる.また,求める性能(効率,応答速度,波長,定格,信号形態(連続波かパルスか)など)によって適切な検出器の選択が必要である.

光電変換の機能を持つ光検出器はおおよそ表23・1の様に分類される.熱型と呼ばれる素子は,光のエネルギーを熱に変換し,温度上昇による起電力,導電率変化,焦電効果などを測定するものである.熱型の特徴は波長依存性がなく比較的安価で耐久性も高いことであり,標準的な光強度モニタなどとして一般に用いられている.また,感度や応答速度は相対的に低いが,10kWを越えるきわめて高い強度の光信号を計測可能な製品もある.これに対し,量子型と呼ばれる素子は光をフォトン(光量子)としてとらえ,そのエネルギーに対応したキャリヤの励起過程に伴い発生する電流,導電率の変化,起電力などを測定するものである.量子型素子のうち,分光などで微弱な光信号を感度良く計測するためには,外部光電効果を利用した光電子増倍管がよく用いられる.光電子増倍管はきわめて高い感度と高速な応答が特徴である.

表23・1

一方,民生機器や光通信などにおいては,小型で信頼性が高く経済的な,導電率変調型素子や半導体接合型の素子(いずれも内部光電効果型)が多用されている.その中で,導電率変調型素子はキャリヤの励起過程に伴う導電率の変化を測定するものであり,簡易な構成で比較的長波長域までの検出素子が得られるが,感度や動作速度の面では光起電力型素子の方が優れている.光起電力型素子は,キャリヤ励起によって発生する電流や電位を信号として取り出すものであり,代表例であるフォトダイオード(PD)は様々な分野で用いられている.これらの量子型素子は,構造や材料によって検出可能な波長範囲が制約され,また受光感度も一般に波長依存性を持つ.

本節では,光電変換型検出器として多用されている量子型のフォトダイオード技術を中心に,また検出波長としては様々なレーザーが実現されている可視光から近・中赤外領域の技術について述べ,その他の技術(外部光電効果型,遠赤外域,アレイ型素子など)については他節に譲る.

23・1・2 量子型素子の特性

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