強力なレーザー光線を物質に照射するとプラズマが噴出する.その反作用で発生する衝撃波圧力は,100 Mbarを超えることができる.これにより,研究室では手にすることができなかった圧力を繰り,物質の状態を探ることができる.こうした状態方程式の新しいデータは,核融合をはじめとする極限科学への重要な基礎データとなり,新しい応用研究を生み出す.ここでは,なぜレーザーにより高い圧力が発生し,その圧力を使ってどのような研究がおこなえるかについて一般的に述べる.

46・6・1 アブレーション圧力

レーザー光を物質に集光・照射してプラズマを発生させると,その噴出により圧力が生じる.1014~1016 W/cm2といったレーザー集光強度を用いると非常に強いレーザー衝撃波が発生する.こうしたレーザー強度で照射を受けた物質は,レーザー光を吸収し,吸収した部分がプラズマとなって噴出(ablation)して,それによるロケット効果により圧力(ablationpressure)を発生する.

プラズマが吹き飛ばされる先端面はアブレーション面といわれ,衝撃波を送り出す役割を果たす.発生する圧力137)は,

式46・20

程度となる.ここで,Iaは吸収されたレーザー集光強度[W/cm2],λLはレーザー波長[μm],Aはターゲットの質量数,Zはプラズマ電荷数である.

これまでに明らかにされたアブレーション圧力の実験データを図46・23に示す.横軸は集光強度であり,縦軸はアブレーション圧力である.レーザー強度の上昇とともに,またレーザー波長が短くなるほど圧力が上がることが見てとれる.レーザーを直接試料に照射した場合の定常な平面衝撃波の最大圧力値は100 Mbarあたりであり,レーザーをいったんX線に変換する技法を使則した場合,750 Mbarという報告138)もある.

図46・23

46・6・2 レーザーを用いた衝撃圧縮実験

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