44・3・1 伝搬の吸収とエネルギー輸送

ペレットの表面に高強度レーザーが照射されると固体表面は蒸発・電離してプラズマが噴出する.噴出プラズマ中で,高強度レーザーは吸収や誘導散乱を受けつつ,転向点(turning point)を経由して反射される.吸収されたレーザーエネルギーは電子熱伝導やX線縮射輸送により吸収領域から国体表面に伝達されアブレーションを駆動する.固体表面のプラズマの温度および密度分布は図44・5に示すように,レーザーにより直接加熱され高温の電子からなる無衝突プラズマ(コロナプラズマとも呼ばれる)と,レーザーの臨界密度から固体密度の数倍まで変化する局所熱平衡の超臨界密度プラズマからなっている.超臨界密度プラズマ中には大きい温度勾配があり,強い電子熱流が存在している.

図44・5

コロナプラズマ中では,レーザーとプラズマの相互作用により伴う多様な非線形現象が起こり,爆縮流体現象にさまざまな影響を与える.特に吸収分布の不均一は爆縮の非一様性の原因となるもので,その制御はレーザー核融合にとってきわめて重要である.また,非線形相互作用などで生じる高エネルギー電子は長い平均自由行程を持つものであり,圧縮される核融合燃料を低アイセントロープに保つために,その制御が重要な課題である.

一方,高速点火核融合では,コロナプラズマの中で高強度短パルスレーザーにより発生する相対論的電子の運動量分布やそのエネルギー輸送と緩和が重要な研究対象となっている.

44・3・2 吸収過程と散乱過程

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