ソリトン伝送/ソリトン通信(soliton transmission or soliton communication)とは

光ファイバの非線形光学効果である自己位相変調(self phase modulation:SPM)と異常分散(anomalous group velocity dispersion)とがつり合うことによって生ずる光ソリトンパルスを用いて,長距離の光パルス伝送/通信をおこなう技術である.ソリトンパルスはファイバの群速度分散に起因するパルス広がりの影響を受けずに伝搬するため,長距般の超高速通信に適する.ソリトンの長距離伝送には光ファイバの損失を補償するために50~100 kmごとにエルビウム光ファイバ増幅器(erbium-doped-fiber amplifier:EDFA)を設置し,多中継伝送をおこなう.20 Gbit/sの伝送速度で10000 km以上の伝送がおこなわれているほか,40~80 Gbit/s,10000 kmの波長多重伝送実験がおこなわれている.→波長多重用光ファイバアンプ