自由誘導緩和(free induction decay)とは

自由誘導減衰ともいわれている.フォトンエコーと同様,磁気共鳴の分野においてよく知られている現象に対する光学的類似現象であり,通常2準位系に対する光学的ブロッホベクトルを用いて説明される.試料に共鳴光パルスが照射されると,その入射光は吸収を受ける.そのときに誘起された振動電気双磁子は,光パルスの透過後も残存していて,光を放出しながら減衰する.これを自由誘導緩和という.通常この緩和は不均一幅で決まるが,特に不均一幅が無視できる場合には,均一幅が緩和時間を決定する.