差周波発生(difference frequency generation:DFG)とは
DFGとは2次の非線形光学効果の一つであり,周波数光波あるいは電磁波の非線形相互光波による差周波発生のことである.直接レーザー発振や光パラメトリック発振で得られにくい中赤外光~ミリ波を,発振しやすい光波域の2周波光源と非線形光学結晶の組合せにより実現する方式であり,レーザー発明の当初から2台の色業レーザーやCO2レーザーを光源に用いて,LiNbO3,GaAs,GaP,ZnTeなどにおけるDFG特性の研究がおこなわれた.DFGは,特に遠赤外領域にあるTHz波発生に有効であり,大きな非線形光学定数を有する結晶と位相整合条件を考慮した2周波光泌を組み合わせることにより周波数可変コヒーレントTHz波発生の広帯域化が進められ,光波とミリ波の電磁スペクトルのギャップがほぼつながるまでに至っている.