光ヘテロダイン検出(optical heteroclyne detection)とは

電波による通信や放送では,高周波の搬送波にのせて運ばれた信号を局発信号とのミクンングにより低周波に変換してから取り出すヘテロダイン検出が用いられている.これをコヒーレント光の検出に応用したのが光ヘテロダイン検出である.周波数の異なる二つの単色光を重ねて干渉させると,差周波数のビート信号が生じる.この性質を利用すると普通の分光器では検出できないほどわずかな光の周波数変化をとらえることができる(応用例:レーザードップラー速度計).また,ビート信号の振幅はもとの二つの単色光の振幅の積となるから,微小振幅の信号光を振幅の大きな参照光に重ねることにより,信号成分を増幅できる.さらに,ビート信号の位相は二つの単色光の位相差となるが,これは電気的に高精度測定が可能なため,干渉による表面形状測定法などの制度向上に利用できる.