ヘテロ障壁(hetero barrier)とは

異なった半導体を接合すると,バンドギャップの違いを反映して,接合界面にポテンシャル障壁を生じる.異種半導体の接合をヘテロ接合といい,そのポテンシャル障壁をヘテロ障壁という.たとえば,GaAsとAlGaAsの接合では良質のヘテロ接合が容易に形成される.半導体レーザーなどでは,ヘテロ障壁を用いて注入された電子および正孔を活性層に閉じ込めることで低電流動作を実現している.そのため,半導体レーザーの基本構造は,発光層である活性層をそれよりもバンドギャップの広いp形とn形の材料ではさんだ構造,いわゆるダブルヘテロ(DH)構造からなる.ヘテロ障壁を越えて漏れる電流成分は非発光電流成分となり,温度に対して指数関数的に増加するため,温度特性の劣化をもたらす.そこで,良質の高温特位を実現するには,高いヘテロ障壁が必要である.