ベータホウ酸バリウム(β-BaB2O4)結晶(BBO crystal)とは
1軸性の非線形および電気光学結晶として,C.Chenらによって1980年代に発表された200 nmまで透明で,タイプIのSHGで約200 nmまでの紫外光を発生可能.基本波および2倍波の吸収がきわめて少なく,レーザー光強度に対する耐性が高く,屈折率の温度変化が少なく,位相整合範囲が大きいという特長を持ち,レーザーによる紫外光発生に一大革命をもたらした,LBO,CLBOなどの先駆けともいえる結晶である.現在,中国で大量に製造されており,SHG,およびQスイッチなどに使用されている.結晶の対称性のため90°位相整合では有効な非線形光学定数がゼロになる.位相整合範囲が広いので結晶への入射角変化には敏感であるが,温度安定性が高く,通常のSHGでは温度制御は必要ない.若干の湖解性があるが,表面にARコートを施し,低湿度の環境であれば,特別の窓付きの容器なしで使用できる.