デンドリマ(dendrimer)とは

デンドリマはカスケードポリマーの慨念に由来する合成応分子であり(語源:デンドロン=樹木),語源の示すとおり,中心から周辺部へ向かって規則正しい枝分かれ構造を有する.デンドリマは,コア,ビルディングブロック(組織総成ユニット),末端基から構成され,以下のような特徴を持つ.(1) 3次元的に明確な構造を持つ.(2) 世代を変えることで分子のサイズを変えられる.(3) 分子量に関する分布が原理主的になく,構造から分子量が一義的に定まる.(4) 単一分子量でありながら,分岐密度に関する傾斜が存在する.(5) コア,ビルディングブロック,末端基のそれぞれに別個の機能を付与できる.合成法は外側から中心へ向かって世代を増やしていくコンバージェント法,中心から外側へ世代を増やしていくダイバージェント法に大別される.これまでに,各種デンドリマーが合成されており,従来の鎖状合成高分子には見られない特徴も報告されている.コア,ビルディングブロック,末端基の組合せは無限に存在し,次世代の高分子材料として大いに期待されている.