生物フォトン(biophoton)とは

生物がその生命活動に伴って発する極微弱発光現象の総祢.外部からの光励起によらず,生体内部での代謝活動としての生化学反応過程で生じる励起分子種による発光(化小発光)である(生体温度での黒体放射とは区別される).多くの場合,活性酸素(反応性の高い酸素種)やフリーラジカル(不対電子を持つ分子種)の産生と関連し,生体物質(生体膜を構成する不飽和脂肪酸やタンパク質のアミノ酸残基,核酸など)の酸化過位で生じる励起物に由来する.したがって,その発光波長も可視域を中心とした広い波長範囲にわたり,,通常複数の発光ピークからなるスペクトルを持つ.発光量子収率が低く発光強度が極微弱であるため,光そのものの生体における生理的役割の有無は不明であるが,光計測の持つ非侵襲性,連続モニタリングなどの利点を生かした.生体機能あるいは病態に関する生体情報計測応用が研究されている.