45・3・1 KrFレーザーの特徴
KrFレーザーは,クリプトンとフッ素の混合ガスを動作媒質とする希ガスハライドエキシマレーザーで,次のような利点を有するため,貫性核融合炉用ドライバの有力候補として開発が進められている.
(1) 波長が248 nmと短波長の紫外域にあり,プラズマの高密度領域まで侵入できるため,電子衝突による古典的吸収機構により高い吸収率が得られる.さらに,プラズマ噴出の反作用で発生するアブレーション圧力も高いため,核融合燃料球の効率良い爆縮に適している.
(2) 数ナノ秒以上のパルス幅に対して10%を超える内部効率(出力レーザーエネルギー/ガスに注入されたエネルギー)の達成が可能である.
(3) レーザー媒質が気体であるため,その循環冷却が容易で,高繰返し動作に適している.小型の放電励起型のエキシマレーザーでは,1 kHz以上の高速繰返し動作が達成されている.
(4) 小信号利得係数が数%から10%/cmあるため,増幅器における往復増幅(2光路)程度で容易に強飽和領域に入り,少ない増I1陥恭段数のシステムで大エネルギーの効率よい取出しが可能である.
(5) 増幅波長幅が2 nm程度と広く.可干渉性を極端に低下させることによる照射強度分布の平滑化や,超短パルスの増幅にも適している.
45・3・2 システムと構成機器
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