44・6・1 レーザー核融合発電プラントの構成

レーザー核融合プラントは図44・21に示すように,レーザー,炉,ターゲット工場,発電部によって構成される.これらのうちターゲット工場は燃料容器の工場と,重水素/三重水素混合ガス(DT)のターゲットへの充填,三重水素の回収,精製をおこなう燃料サイクル工場に分離することができる.燃料容器工場は必ずしもプラントに隣接して設置する必要はない.燃料容器工場で作られた燃料カプセルにDTを充填し,均ーな厚さの中空シェル形状に固化し,炉の中に周期的に投入し,レーザーを照射し,圧縮,点火,燃焼に導く.投入した燃料の1/3程度が燃焼し,残りのDTは炉より排気されるため,これらは回収して再利用される.

図44・21

DT核融合の場合,生成したエネルギーの80%が中性子に含まれているため,中性子は炉の周辺に配置されたLiを含むブランケットの中で熱化するとともに,新しい三重水素を生成する.ブランケット内で生成した熱は一次冷却系,二次冷却系を通してタービンに導かれ,発電機を回す.発生した電力の一部はレーザーの運転,プラント冷却系などの動力に使用される.

レーザー核融合炉は磁場核融合炉にくらべて空間的独立性が高く,設計の自由度が高いのが最大の特徴である.炉自体は単なる真空容器であり,炉材料が許す大きさに設定可能で,炉心プラズマの性能が変わったり,システムの効率が大幅に低下したりすることは基本的にはない.

中心点火モードの場合,レーザー照射一様性に高度なものが要求されるため,レーザー,ターゲットインジェイクタ,ターゲット位置モニター(トラッキング装置)は一体の強固な岩盤の上に建設され,炉自体はフローティング構造にすることがパルス運転に起因する振動を回避するために必要となる.

44・6・2 発電プラントに必要な条件

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