まず最初にレーザーの始まりから
1950年代、コヒーレントな光を発生できる可能性の追求は、もっと長波長のマイクロ波領域から始まり、1953年にはTownes & GordonによってNH3メーザーの実験が行われた。その後、本当の光の領域でのレーザー発振への努力が続けられたが、どれもうまくいかない状態が続いた。
その状況を打ち破ったのは、西海岸、カリフォルニアのマリブにあ るヒューズ研究所にいた Maiman であった。レーザー研究の主流派は、もっとも原子の光学遷移の能力を引き出せる気体レーザーを中心に研究しており、周囲の 結晶場の影響を受ける固体レーザーでレーザー発振を目指すことは邪道だとみなされていた。実際、図のようなフラッシュランプでルビー結晶(Cr3+:Al2O3)を励起したが、一向にうまく行かず、研究所からは研究の中止を勧告されてしまった。それまではフラッシュランプの爆発を恐れて、定格範囲内の電流で励起していたが、どうせ、研究は終わるのだからと、ランプが壊れるまで、電力を上げていった。このような事情はよく分かる。筆者が学生の頃、フラッシュランプはよく爆発をした。ランプそのものの損害も問題だが、爆発の結果、高価なレーザー結晶に傷が入ったら大変で、研究はそこで止まってしまう。Maimanがそれまで踏み切れなかったのは当然といえる。
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