【改めて、アダプティブ光学技術を振り返る】
先にまとめたとおり、人工的位相共役光学系を開発するための基本条件は揃っているように感じる。問題はあらゆることをすべて同時に解決する魔法の技術を望むのではなく、できるところから一歩ずつ開発しながら、問題を顕在化して、地道に解決していく姿勢ではないかと感じる。というのは、位相共役技術が必要とされる条件には千差万別であり、自分が必要な条件で位相共役技術を人工技術で可能にすることは意外と簡単ではないかと感じるからである。
よく考えると、研究者とは元来、研究目的のため自分が必要とした技術を自分で開発し、必要な実験的検証をすることで、それまで分からなかった新しい知識を獲得する作業をしてきた。だからこそ筆者が学生時代から経験したバラックセット実験が重要な結果を生み出してきたのである。
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