【アダプティブ光学の勝手な分類】
最初に前回議論したアダプティブ光学の分類から始めましょう。これは筆者が独自の視点で指摘したもので、いわば勝手な分類です。
アダプティブ光学そのものは、光伝播に伴って生じた波面の歪みを補正する技術です。波面の歪みといってもいろいろありますが、弱い波面乱れの条件、すなわち、光線で表示した場合に、光線の方向が変化しているが、光線は交差しない条件で補正する技術が一つのカテゴリーです。光線の交差が発生するほど大きな乱れが生じると、単一の光学素子でそれを補正することは困難となります。天体望遠鏡など、本来点光源を対象とする場合に有効な技術で、光線が入り乱れるような場合には対応できません。
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