【1972 年 Basov によるガラスレーザー増幅器のビーム品質改善研究】
 誘導ブリルアン散乱による SBS ミラーを最初に大出力レーザーに応用したのはロシアの Basov でした。Zeldovich は Alzamas-16というロシアのロスアラモスと呼ばれる核開発の秘密隔離都市 Alzamas-16 の中心研究者なので、レーザー核融合を始めた Basovのグループがガラスレーザー増幅システムDelfin のビーム品質を改善しようとするのは当然でしょう。マスター発振器、増幅器はすべて標準的な Nd 添加ガラスである。それまでの位相共役の研究はルビーレーザーに代表される結晶レーザーで行なわれており、ガラスレーザーではうまく行かないとされていた。位相整合条件が厳しいはずの位相共役は単色光を基礎に理論化されていたので、不均一なスペクトル幅で帯域の広いガラスレーザーではうまく行かないと考えられていたのであった。1968 年にガラスレーザーシステムを使って DT ターゲットを照射して、核融合反応の証拠である 14.6MeV の核反応中性子を検出した Basov のグループはランプ励起ガラスレーザーのビーム品質を改善するのは絶対的に必要な研究方向であったのは理解できる。実験では 2 種類の位相共役実験が行なわれた。一方はレーザー光を SF6 や K-8 ガラスに集光する実験で、別の実験では、導波路型実験で CH4 や PCO では標準的な CS2 を活性気体として用いた。集光実験では集光強度の高さを利用した方式となり、導波路方式では非線形相互作用を大きな体積で有効にする方式となる。

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