【ホイヘンスの理論と誘導放出による光増幅】
歴史を振り返ってみると、光の粒子説と波動説はながく論争の種となってきた。ニュートンの粒子説に対して波動説を採ったホイヘンスの難点は、必ず広がろうとする波で光の直進製を説明するのが困難なことだった。こ れを説明するには、右図のように波面を分割して各部分が小さな二次波、waveletを作り出すとして、それらの小さな波を合成すれば、互いの干渉で平面波成分だけが残るとして直進性を説明した。ただ、この場合も光が逆行しないことが説明できないので、後に、フレネルが修正し、さらにキルヒホッフにより波動方程式で定式化された。このように無数の小波による干渉の結果、光が直進しているという波動説の説明は、これらの小波がコヒーレントに加算されることを前提としており、その後の光によって空気 分子に分極が生じ、その分極から発生する散乱光が生まれる場合にも、まさに当てはまっ た。ホイヘンスの原理はコヒーレント加算そのものである。
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