セミナー講義ノート(第2弾!高出力ファイバーレーザー その歴史と展開から学ぶ:2022年7月21日開催)
はじめに
光響 レーザー教育サイト
植田憲一
2022年7月21日
植田憲一
2022年7月21日
レーザー加工用のレーザーの主役として、今では誰もが産業用レーザーの中心と考えているファイバーレーザーの現状は、1990年代までは誰も想像し得ないものだった。当時のファイバーレーザーは光通信用ファイバーレーザーを意味したが、現在、それらは半導体レーザー増幅器に置き換わり、現在ではファイバーレーザーといえば、高出力加工用レーザーを意味するようになった。変われば変わるものである。思えば、ファイバーレーザーはそれまでの常識に挑戦し、それまでと異なるイメージ、技術を作り出すことで現在の高出力レーザーに成長した。その中には、ノーベル賞を受賞したCharles Caoによる極限まで損失を減らせば、ガラスファイバーは遠距離通信を可能にするというアイデアがあり、また光通信用のファイバーが普及すると、細いファイバーは信号を送ることは出来ても、パワー伝送は無理という常識を覆した。光ファイバー通信のイメージが強くなると,今度はファイバーの持つ自由形状特性を無視するように、一つの強みを強調すると、他の本質に目が行かなくなる。それらを廃して、ファイバーレーザーの持つ本質的な特性、優位性を客観的に評価することこそ、歴史から学び将来を生み出す原点となるだろう。
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