【カスケード遷移を使った化学レーザー】
MW出力のレーザーといえば、化学レーザーを忘れてはなりません。これもすばらしいアイデアで実現された気体レーザーです。エキシマレーザーなどとは異なり、これはフッ素と水素という2つの気体を混ぜるだけで、フッ化燃焼反応の結果HF分子となります。ただ、反応して生成されたHF分子はこの31.7kCalというエネルギーを持っているので、HF分子としては第3励起状態で形成されます。そのときその下のエネルギー準位、ν=2やν=1状態のHF分子はできないので、エネルギー準位は空です。化学反応が選択的に作り出した反転分布でレーザー増幅すると、光学遷移したHF分子は今度はν=2に貯まり、2から1へのレーザー作用が始まります。こうして化学反応で作り出された振動エネルギーはほぼ同じ波長の光学遷移を繰り返して基底状態まで達します。これが化学レーザーにおけるカスケード遷移です。
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