【レーザーの常識を破ったN2レーザー】
少し違った方向性でいうと、N2レーザーはそれまでのレーザーの常識を破りました。レーザーで重要な反転分布の形成には、励起寿命が長いことが重要でした。しかし、光学遷移確率を表すアインシュタインのA係数は図のように周波数の3乗に比例するので、短波長レーザーでは励起寿命が極端に短くなります。エネルギー準位図を示したとおり、レーザー上順位であるCステートの寿命はわずか4nsです。レーザー下順位のCステートの寿命は10μsもあるので、原理的に反転分布は形成できないように見えます。その上、N2 レーザーは放電励起ですから、上順位に選択的に励起するすることはできません。電子衝突の場合、普通ならエネルギーの低い方にたくさん励起しそうですが、幸いなことに、放電中の電子エネルギー分布の問題で、下順位より上順位への励起確率が高いことを利用できました。それでも寿命が短いことはどうしようもありません。
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