【涙を流す光学系】
  クリーニングを必要としない光学系はあり得るか?という問いに対して、学生にできるレーザー新世代技術-ハイブリッドレーザー結晶から涙を流す光学系まで-といった講演をしたことがあります。1999年7月にレーザー学会の第10回若手技術者と学生のためのレーザー応用セミナーの基調講演を依頼されたことに応えたものでした。

  そのときの考えは図の通りです。我々の眼は生まれてから死ぬまでまばたきをすることで汚れを除去し、そのレンズである水晶体の表面は光学レンズの質を保ち続けています。その秘訣は何でしょう。水晶体の全面にある角膜の表面には涙の膜があり、実は液体層で覆われたレンズなので、クリーニングが不要なだけでなく、表面は分子スケールで滑らかな状態を死ぬまで維持しているのです。液体表面ほど、滑らかな表面はありません。しかも、それは角膜の形状に沿ってくれるだけでなく、万一、角膜に傷が入っても、その傷を涙で埋めることでインピーダンス整合を取ってくれるのです。

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