【フィラメント発振と規則的パルス列 Limit Cycle の話】

 Self Q-switching という現象は GiantPulse が発生するものの、その機構そのものからして、ランダムな現象でした。一方、1960 年代から規則的なパルス列を発生する機構として Limit Cycle パルスというものがありました。最近では忘れ去られたようですが、筆者は学生時代に霜田先生の教科書で、きれいな一定強度のルビーレーザーパルス列の写真を見て感動しましたし、上智大の助手時代には、CO2 レーザーの緩和発振で規則的パルス列を発生することを試みました。これはモードロックなどとは異なり、レーザー媒質の励起準位系の緩和時間とレーザーによるエネルギー引き出しが結合した共振系が作り出す規則的パルス列であり、非常に安定して一定強度の(undamped)パルス列を発生しますが、原子/分子系のエネルギー緩和と関係しているため、超短パルス発生とはなりません。

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