【1963 年  Ni2+:MgF2 バイブロニック遷移  L. Johnson】
 1963 年に Bell 研究所の J. Johnson らが発表した Ni2+:MgF2 レーザーは固体レーザーにおけるバイブロニック遷移について言及した研究かも知れない。論文題目はレーザー発振と同時にフォノンの放出を含む光学的メーザー(レーザー)となっている。フォトンとフォノンが同時に関係した遷移というのであるから、まさにバイブロニックだということができる。ルビーレーザーのように、基底状態の低いところへの R 線遷移ではなく 340cm-1だけ高いレベルにレーザー遷移が起こっているとした。2 価の遷移金属イオンが周囲の結晶場との相互作用していることを実証し、その蛍光スペクトルが広く広がっていることを示した。ただし、この時代、波長可変レーザー発振は報告していない。しかし、その分光スペクトルから、この結晶は線スペクトルではなく、広い波長で発振可能だと議論している。

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