平面波の定常表現に時間依存項を導入すると、下式のようになる。

2.48

ある時刻に位相が等しい全ての点を結んで構成される面は波面とよばれる。波面上で波動関数が一定値となるのは、波面上で振幅Aが一定の場合のみである。一般にAはrの関数である。波面上でAが一定値でない波動は、不均一であるとされる。

上式で示される波動において、波面の伝搬速度である位相速度を求める。ベクトルrk方向成分はrkである。時間dtの間に、波面がk方向にdrk移動したとすると、次式が成り立つ。

2.49

指数関数形式で書くと

2.49-2
となり、kdrkωdtでなかればならないことがわかる。したがって伝搬速度は下式で表現できる。
2.50

次に、二つの波動の重なりを考える。両波動の波長は等しくλとする。したがって各々の伝搬定数も等しくk=2π /λである。波動1ψ1z軸方向に伝搬するものとする。伝搬ベクトルをk1とするとk1·r=kz=(2π/λ)zであり、

2.50-2

と表すことができる。同様に波動2を考えると、k2r=kzz+kyy=(kcosθ)z+(ksinθ)yであるので、

2.50-3
となる。

調和平面波はしばしば、直交座標x, y, zを用いて以下のように表される。
2.51

または、下式でも表現できる。

2.52

ここで、α, β, γkの方向余弦であり、

2.53

が成り立つ。
調和平面波には、二つの重要性がある。ひとつは、調和振動子を用いて正弦波を比較的容易に発生できることであり、いまひとつは、特定の振幅・伝搬方向をもつ平面波の重ね合わせによって任意の3次元波動を表現できることである。

 

定常状態の平面波表現はこちら

 

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)