超短パルスレーザーとは

超短パルスレーザーは、数フェムト秒〜数ピコ秒のパルス幅をもつパルスレーザーである。

そのためフェムト秒レーザー(フェムトセカンドレーザー)やピコ秒レーザーと呼ばれる。
1フェムト秒は1fsと記載し、1×10-15秒、つまり1000兆分の1秒のことであり、
1ピコ秒は1psと記載し、1×10-12秒、つまり1兆分の1秒のことである。
光は1秒間に約30万km(地球7周半の距離)も進むほどの速さであるが、1フェムト秒の間に光が進む距離は約0.3μm程度である。

参照:最速のストロボ写真を撮る ~フェムト秒からアト秒へ~(ニコン)

 

超短パルスレーザー(フェムト秒レーザー・ピコ秒レーザー)の特徴は、下記が挙げられる。

それぞれの特徴について述べる。

超短パルス性、超高速性

超短パルスレーザー(フェムト秒レーザー・ピコ秒レーザー)は、その極めて短い時間にパルスが発生している超短パルス性と、フェムト秒という超高速性という特徴を兼ね備えている。 超短パルスは、電気信号では到達できない領域である。この特性により、対象物の熱損傷を低減することが可能となる。超高速性では、高速な分子振動、化学反応の過程を計測することができる。

超高強度性

パルスレーザー光の1パルスのピーク強度は下記の式で表される。

上式からわかるとおり、ピーク強度はパルス幅に反比例する。したがって、フェムト秒レーザーでは、平均出力が小さくても、ピーク強度が極めて大きいことが分かる。フェムト秒レーザーのピーク出力は、ペタワット(PW: 1×1015 W)級の領域にまで到達している。 超高強度性は、レーザーのみが達成できる領域である。そして、この領域では、物質との相互作用に非線形性が顕著となる。 図1に高強度領域への展開を図示した。


図: 高強度領域への展開(引用:文部科学省、第4章 経済・社会の高度化に寄与する光)

超広帯域性

パルス幅Δtとスペクトル幅Δν (周波数領域) の間にある不確定性関係、Δt・Δν ≧kより、超短パルス(Δt:fs)の場合、スペクトル分布幅(Δν)は超広帯域であることになる。 この超広帯域性により、広帯域なコヒーレント光を生成することが可能である。

まとめ

超短パルスレーザー(フェムト秒レーザー・ピコ秒レーザー)の特徴を下記の表でまとめた。

超短パルス性 電気信号では到達できない領域 ・対象物の熱損傷を低減可能
超高速性 高速な分子振動を計測可能 ・化学反応の過程を計測可能
超高強度性 レーザーのみ到達できる領域 ・ガラスの内部加工が可能
超広帯域性 広帯域なコヒーレント光を生成可能

References and Links