YAGとはYttrium Aluminium Garnetの略でその組成式はY3Al5O12であり、ここではレーザー媒質の母材として取り上げる。YAGは熱伝道率や熱衝撃係数が高く、誘導放出断面積も大きく、他の母材と比べ熱特性や光学特性に優れている。そのため現在固体レーザーのレーザー媒質の母材として最も使われるものの一つである。
YAGはその名の通りガーネット構造であり、組成式の8倍の元素で立方系の単位格子を形成する。YAG中でアルミニウムは6個の酸素で八面体状に取り囲まれるか4個の酸素で四面体に取り囲まれ、イットリウムの周囲には8個の酸素が群論の表記でD2対称と表現されるいびつな形に配位する。この回りにある酸素を配位子と呼ぶ。ランタニドをYAGに添加すると、ランタニドはイットリウムと置換する。つまりランタニドイオンはイットリウムのサイトを占める。このサイトの形状を図1に、付録の表A.5にはイットリウムを原点とした場合の配位子の直行座標[1]を格子単位で表し、合わせて極座標も示しておく。
References and Links
- [1] Ralph W. Graystone, Wychoff “Crystal structures-Vol.3” New York Interscience Publishers, 223 (1963)
引用
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