ほとんどのレーザーにとって、レーザー波長は励起波長よりも長い。これはすべてのポンピングスキームにとって避けられず、そこでは一つの励起光子が一つのレーザー光子を生み出している。しかしながら、アップコンバージョンポンピングスキームが存在し、そこでは2つないしはより多くの励起光子がレーザーイオンをより高い励起水準へ遷移させるために使われるので、レーザー光子エネルギーは励起源のエネルギーよりも大きくなる。例えば、赤外光によって励起された可視レーザーが存在する。(時々、“アップコンバージョンレーザー”という商標は励起過程が多数の光子を含むときには、レーザー波長が励起波長よりも短くないときであっても使われる。)

初期のアップコンバージョンレーザーはバルク結晶を用いて試験され、それは極めて低温まで冷やさなければならず、システムを非実用的なものにしていた。しかしながら、極めて重要な進展が得られた、例えばEr:YLiF4 と Er:LiLuF4 の結晶を用いて比較的高出力の緑色光[2, 14, 15]を室温で発生させた。

最近使われたアップコンバージョンレーザーはグラスファイバーを基にしており、高励起強度が長い長さに渡って維持されるので、レーザー閾値を他では困難な条件のもとでさえも維持できる。 ほとんどの場合において、シリカガラスはそれ自体の高いフォノンエネルギーゆえに不適切であり、強い多重フォノン遷移を起こし、それゆえに短すぎる準安定準位寿命につながる。 それゆえに、重金属のフッ化物ガラス(例. ZBLAN)を使うことがしばしば必要であるが、脆くかつ高価になる。

アップコンバージョンの例を以下に示す。

  • ツリウム添加青色アップコンバージョンレーザー[5, 11, 12](波長1120-1140nmあたりで励起されて波長480nmあたりで発振)
  • エルビウム添加緑色アップコンバージョンレーザー [1, 4](波長980nmあたりで励起され546nmあたりで発振)
  • プラセオジム/イッテルビウム 添加アップコンバージョンレーザー [7, 8](850nmあたりで励起(アバランシェプロセスを使用)またはイッテルビウムを増感剤として励起されて、赤(635nm)、オレンジ(605nm)、緑(605nm)、青(491nm)のスペクトル領域において様々な波長の可視光を発振)

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