図1にSmセラミックYAGの透過スペクトルを示す。測定器は日立社製U-4100で、Sm3+濃度5at.%、試料厚5.6 mmである。この透過スペクトルにおいて、900 nm以上の吸収レベルは全て6H、6Fである。5つの大きな吸収が900~1700 nmにあるのがわかる。それに対し、600~900 nmはほとんど吸収が無く、500 nm以下の短波長域で強い吸収があるのが分かる。この短波長域の最も強い吸収は6P3/2の405 nmである。

この波長で励起した蛍光スペクトルを図2に示す。618 nmに最も強い蛍光を持つ。この蛍光の上準位は全て4G5/2であり、580 nm以下の多様体スペクトルは基底多重項である6H5/2への遷移であるので550 nm以下の蛍光スペクトルは無い。これらの観測と文献[1,2]より導いたエネルギーレベルを表2、表3に示す。Gruberらの値は単結晶のものだが、セラミックのデータは良く一致した。

図1: SmセラミックYAGの透過スペクトル

図2: SmセラミックYAGの蛍光スペクトル(405 nm励起)

表2: SmセラミックYAGのエネルギー準位(1)

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