能動または受動モード同期技術が用いられたレーザーをモード同期レーザーと呼び、周期的な超短パルス列が放出される。モード同期技術に関する詳しい説明は、モード同期に関する記事を参照すること。現在の記事は、よりレーザー自体を取り上げた内容となっている。また、超短パルスに関する記事を読めば、超短パルス生成の現在の進展状況についての知見が得られるだろう。

超短パルスは、ある帯域幅を有しているので、短パルス (特に、サブピコ秒領域) 向けのモード同期レーザーは、大きな利得帯域幅を持った利得媒質が必要となる。他の望ましい特徴としては、非線形性や波長分散がそれほど高くないことや、 (特に受動モード同期に対して) 不安定なQスイッチ動作を避けるための、レーザー断面積が十分に広いことがあげられる。

モード同期レーザーの種類

以下のレーザーの種類のものは、特に、モード同期用として魅力のあるものである。

  • 1970年代、アルゴンイオンレーザーで励起された色素レーザーが日常的に利用されていた。レーザー色素は、かなり短いパルスを可能とする広い利得帯域幅を有している。しかし、固体レーザーが色素レーザーと同等もしくは、より良い性能を示すようになってからは、その地位を固体レーザーに取って代わられてしまった。
  • イオン添加結晶やガラスを基本とした、固体バルクレーザーは、今日のモード同期レーザーの主流である。固体バルクレーザーは、とても短いパルス、高パルスエネルギーと高平均出力パワーの両方ないしいずれか一方、高および低パルス繰り返しレートそして高いパルス品質を実現する。達成された記録を以下に、リストとして表示する。
  • ファイバーレーザーも、潜在的に安価な構成で、短パルス生成用にモード同期可能である。詳細は、モード同期ファイバーレーザーに関する記事を参照すること。高出力は、基本的には直接実現できないが、ファイバー増幅器を用いることで可能となる。実現された超高速ファイバーレーザーのパルス持続時間は、利得帯域幅よりもむしろ、非線形性や高次の分散によって制限されることが多い。
  • 半導体レーザーは、ほとんどが光ファイバー通信用のモード同期ダイオードレーザーとして作られる。最近では、光励起受動モード同期外部共振器型垂直面発光レーザー(VECSELs)が開発さており、特に、比較的高い出力、何GHzという繰り返しレート、そして場合によっては短いパルス持続時間 (数ピコ秒かそれ以下) の組み合わせが必要とされるときに、他の固体レーザーに匹敵するほどである。

 

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