ロッド型増幅器

レーザー媒質形状は円柱状であり、レーザー光は円柱の軸方向に伝搬するため利得長が長いのが特徴である。利得長が長いため高利得が得られるので、固体レーザーシステムの前段増幅器として良く用いられる。しかしながら、ロッド形状で高出力を得るためには、レーザー損傷を回避するためにロッド直径を拡大する必要があるが、ロッド型の熱破壊限界は直径に依存しないので励起密度が制限されてしまう。また、YAGの場合は結晶育成課程でロッド中心部分にコアが発生し、大型のロッド型YAGを製造することが困難である。ロッド型で発生する強い熱レンズ効果は、出力がkW級に達するような高密度励起状態では焦点距離が数10cm程度の短焦点になってしまう。熱伝導率は実際には温度の関数であることから、熱レンズ効果は球面レンズとアキシコンレンズを合成した焦点となる。このようなレンズ効果を補償することは難しく、ロッド型増幅器構成の高出力化を阻害している要因となっているが、取り扱いの簡易さから最も普及している増幅器形状でもある。

発生する熱効果の補償方法としては、様々な方法が報告されており、熱レンズ効果の補償としては定常状態での熱負荷から熱レンズ効果を見積もり、定常状態で補償可能な凹レンズをシステムに挿入する能動的補償方法がよく用いられる。また、位相共役鏡によって励起条件に依存しない受動的補償方法も用いられている。熱複屈折効果の補償としては、同じ条件(直径、長さ、励起強度等)で動作させるロッド型増幅器2台の間に90度回転旋光子を挿入し、 方向成分と 方向成分の位相差を二つのロッド中での光路を逆転 させることによって解消する補償法等がある。

ジグザグスラブ型増幅器

高平均出力スラブレーザーで良く用いられている構造であり、媒質中を伝搬するレーザー光は臨界角を越えて入射されるので、レーザー媒質表面を全反射しながらジグザグに伝搬する。そのため“Total Internal Reflection-Face Pumped Laser”或いは“Zig-zag Slab Laser”と呼ばれている。側面励起が一般的であったが、近年、セラミックスYAGのコンポジット材料が普及したことにより、入射と出射部の媒質を無ドープ材料にして軸方向からLD励起する手法などにより、CW動作で数kW~10kW級システムも報告されるようになってきた。

媒質中をジグザグに伝搬するため実効的利得長が長く、励起光の吸収が強い表面部分を通るため高利得を得ることができる。熱歪みから生じる複屈折は一次元温度分布によって軽減されるので複屈折の影響は少ない。熱レンズ効果はジグザグ光路を通るため厚み方向に対しては補償される。レーザー媒質冷却は薄板状(2次元)で行うために、熱除去能力が高く、高繰り返し化が可能である。

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